一般財団法人電池推進船普及研究財団 活動中止のご案内
3月も終わりとなりいよいよ明日からは4月となります。
本来ならば3月は卒業式、4月は入学、入社シーズンで新入学生、新社会人たちの明るい声が聴こえる日々ですが2021年春はコロナ禍の影響で寂しい日常となりました。
その様な中幣財団、設立6年半を持ちまして諸般の事情により活動を中止する事になりました。幣財団は2014年10月に東京海洋大学電池推進船「らいちょうN」の建造に携わったメンバーで設立し研究・普及・広報の分野で国・自治体・又環境に興味のある団体・民間企業様と環境問題解決策を一緒に考え活動してきました。
活動の一例ですが2015年秋に第一回シンポジーム「電動推進船の現状と課題」をテーマに開催しました所多くの参加者にお出で頂き驚きで有ったことが想い出されます。
又シンポジームも第4回まで開催できた事、関係各位へは感謝の言葉しかありません。
今後の環境問題解決策提案等は幣財団へ携わって頂いた企業様へお願いする所です。
又6年半ご指導、ご支援頂きました海事局、江東区、東京海洋大学、協賛各社の皆様には改めまして感謝とお礼申し上げます。
又暖かく見守って頂きました一般のお客様本当にありがとうございました。
最後になりますが皆々様のご健勝とご多幸を祈念して終りの言葉とさせて頂きます。
2021年3月31日 (一財)電池推進船普及研究財団
代表理事 風間 宏敏
設立の経緯
一般財団法人電池推進船普及研究財団は、電池推進船の普及ための技術支援、研究・開発、電池推進船に関する情報提供・広報活動、標準化活動の支援に関する事業を行い、電池推進船の安全性及び利便性向上に寄与することを目的として、株式会社スターランドコミュニケーション、株式会社データ設計、横河商事株式会社の3社にて、平成26年10月に設立されました。その後、会員数の増減を経て、現在に至っています。
会員
○正会員
株式会社スターランドコミュニケーション
株式会社データ設計
○賛助会員
隅田船舶工業株式会社
株式会社協同
EV船販売株式会社
(令和3年3月現在)
理事、評議員
○理事
代表理事 風間 宏敏〔(株)スターランドコミュニケーション〕
常務理事 広島 基〔(株)データ設計〕
理事 酒井 正勝〔隅田船舶工業(株)〕
○評議員
評議員 風間 宏規〔(株)スターランドコミュニケーション〕
評議員 加藤 光一〔(一財)日本船舶技術研究協会〕
評議員 永田 亀男〔(株)データ設計〕
(令和3年3月現在)
主な活動内容
一般財団法人電池推進船普及研究財団の特筆すべき活動内容として、東京海洋大学のご協力のもとに開催した4回のシンポジウムがあります。これは、「次世代水上交通システムによる低炭素社会の実現」を共通テーマとして掲げ、各回において電池推進船や燃料電池船の技術動向、これらを活用した新たな社会の展望などをテーマとして、各分野の専門家の皆様に講師をお願いして東京海洋大学越中島キャンパスで開催したものです。
下表に第1回から第4回までのシンポジウム開催日と各回のテーマを示します。また、次頁以降にはシンポジウムの開催案内と写真を掲載しました。
「次世代水上交通システムによる低炭素社会の実現」シンポジウム
回 | 開催日 | テーマ |
第1回 | 2015年10月3日 | 電池推進船の現状と将来展望 |
第2回 | 2016年10月7日 | 燃料電池を活用した車と船の将来展望 |
第3回 | 2017年10月10日 | スマートシティの実現と舟運による活性化 |
第4回 | 2018年11月16日 | 水素社会の構築へ向けた取り組みと都市・水上交通 |
第1回シンポジウム
「次世代水上交通システムによる低炭素社会の実現」
『電池推進船の現状と将来展望』
シンポジウム開催案内
(一財)電池推進船普及研究財団
1.目的
電池推進船(EV船)等をテーマとしたシンポジウムを開催し、EV船の理解を深め、今後の普及発展に寄与することを目的とする。
2.主催
(一財)電池推進船普及研究財団
3.共催
東京海洋大学 海洋工学部
4.後援
東京都 江東区
5.対象者
・一般市民(江東区民、環境問題や船に興味のある方、小中高生等)
・EV船に関する開発・事業計画等に携わっている組織(自治体、関連団
体、企業)
・東京海洋大学の教職員・学生・OB
・その他
6.シンポジウム内容
(1)シンポジウム名
『電池推進船の現状と将来展望』
(2)開催日時
平成27年10月3日(土) シンポジウム 午後14時~17時
交流会 午後17時~18時
(3)開催場所
東京海洋大学 越中島キャンパス 2号館1階 2101教室
(4)プログラムと講師等
シンポジウム 開催要項 | |
---|---|
日時 | 2015年10月3日(土) 14時~17時 |
場所 | 東京海洋大学 越中島キャンパス 2号館1階 2101教室 |
内容 | |
1、開会挨拶 | 電池推進船普及研究財団 代表理事 風間 宏敏 |
2、来賓挨拶 | 国土交通省 海事局 技術審議官 加藤 光一 氏 |
3、講演 | 石垣市 企画部 観光文化スポーツ局 局長 大得 英信 氏 「石垣市 青と緑の再生プロジェクトへの取り組み」 |
4、講演 | NREG東芝不動産株式会社 経営企画部 グループ長 山口 剛史 氏 「東京都における舟運の活性化・先端水素技術の発信等による観光・ビジネス拠点の整備」 |
5、講演 | 東京海洋大学 特任教授 大出 剛 氏 「電池推進船の現状と課題」 |
6、パネルディスカッション | 「電池推進船の将来展望」 石垣市 企画部 観光文化スポーツ局局長 大得 英信 氏 NREG東芝不動産株式会社 経営企画部 グループ長 山口 剛史 氏 トーハツ株式会社 取締役技術部長 工藤 敏博 氏 東京海洋大学 特任教授 大出 剛 氏 司会:電池推進船普及研究財団 専務理事 工藤 清人 |
7、閉会挨拶 | 東京海洋大学 海洋工学部長 岩坂 直人 氏 |
8、交流会 | 閉会後18時~ 参加希望者による交流会(越中島キャンパス内マリンカフェ) |
第2回シンポジウム
「次世代水上交通システムによる低炭素社会の実現」
『燃料電池を活用した車と船の将来展望』
シンポジウム開催案内(案)
一般財団法人 電池推進船普及研究財団
1.目的
現在、実用化が進められている燃料電池を動力源とする自動車や船に関するシンポジウムを開催し、燃料電池やFC船等の理解を深め、今後の普及発展に寄与することを目的とする。
2.主催
一般財団法人 電池推進船普及研究財団
3.共催
国立大学法人 東京海洋大学 (予定)
4.後援
国土交通省(予定)、東京都 江東区
5.対象者
①一般市民(江東区民、環境問題や船に興味のある方、小中高生、NPO
等)
②EV船やFC船に関する研究開発や建造等に携わっている組織・機関(自治体、関連団体、大学、企業等)
③東京海洋大学の教職員・学生・OB
④マスコミ関係者
⑤その他
6.シンポジウム内容
(1)シンポジウム名(案)
『燃料電池を活用した車と船の将来展望』
(2)開催日時(案)
平成28年10月7日(金) シンポジウム 午後14時~17時
交流会 午後17時~18時
(3)開催場所(案)
東京海洋大学 越中島キャンパス 越中島会館2F 講堂
(4)プログラムと講師等
日時 | 2016年10月7日(金) 14時~17時 シンポジウム 2016年10月7日(金) 17時~18時 交流会 |
場所 | 東京海洋大学 越中島キャンパス 越中島会館2F 講堂 |
1、開会挨拶 | 電池推進船普及研究財団 代表理事 風間 宏敏 |
2、来賓挨拶 | 国土交通省 海事局 海洋・環境政策課長 田淵 一浩 氏 |
3、講演 | 株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 第5技術開発室 上席研究員 齊藤 信広 氏 「燃料電池自動車の開発と水素社会に向けて」 |
4、講演 | 東芝燃料電池システム株式会社 取締役技師長 松田 昌平 氏 「定置用燃料電池システムの開発動向と、水素社会に向けた展開」 |
【休憩】 | |
5、講演 | 東京海洋大学 特任教授 大出 剛 氏 「電池推進実験船らいちょうNの水素燃料電池搭載試験について」 |
6、閉会挨拶 | 東京海洋大学 海洋工学部 学部長 塚本 達郎 氏 |
7、交流会 | 閉会後17時~ 参加希望者による交流会 |
第3回シンポジウム
「次世代水上交通システムによる低炭素社会の実現」
『スマートシティの実現と舟運による活性化』
シンポジウム開催案内
一般財団法人 電池推進船普及研究財団
1.目的 環境に配慮したこれからの都市のあり方と、電池推進船や燃料電池船を利用した舟運の活性化に
ついて学び、電池推進船等の今後の普及発展に寄与することを目的とする。
2.主催 一般財団法人 電池推進船普及研究財団
3.共催 国立大学法人 東京海洋大学
4.後援 東京都 江東区
5.対象者
①一般市民(江東区民、環境問題や船に興味のある方、小中高生、
NPO等)
②EV船やFC船に関する研究開発や建造等に携わっている組織・
機関
③東京海洋大学の教職員・学生・OB ④マスコミ関係者 ⑤その
他
6.シンポジウム内容
(1)シンポジウム名 『スマートシティの実現と舟運による活性化』
(2)開催日時
平成29年10月10日(火) シンポジウム 午後14時~17時(無料)
交流会 午後17時~18時30分(有料 @3,000円)
(3)開催場所
東京海洋大学 越中島キャンパス 越中島会館2F 講堂
(4)プログラムと講師等
日時 | 2017年10月10日(火) 14時~17時 シンポジウム(無料) 2017年10月10日(火) 17時~18時30分 交流会(有料 @3,000円) |
場所 | 東京海洋大学 越中島キャンパス 越中島会館2F 講堂 |
1、開会挨拶 | 電池推進船普及研究財団 常務理事 広島 基 |
2、来賓挨拶 | 国土交通省 海事局 海洋・環境政策課長 田淵 一浩 氏 |
3、講演 | 早稲田大学 大学院 環境・エネルギー研究科 教授 小野田 弘士 氏 「スマートシティの実現に向けて~地域エネルギービジネスの可能性~」 |
4、講演 | スマートシティ企画株式会社 代表取締役 山口 徹 氏 「スマートシティプロジェクト」 |
【休憩】 | |
5、講演 | NREG東芝不動産株式会社 経営企画部 経営企画担当 グループ長 山口 剛史 氏 「芝浦一丁目計画及び水素燃料電池船活用策について」 |
6、閉会挨拶 | 東京海洋大学 海洋工学部 学部長 塚本 達郎 氏 |
7、交流会 | 閉会後17時~ 参加希望者による交流会 |
第4回シンポジウム
「次世代水上交通システムによる低炭素社会の実現」
『水素社会の構築へ向けた取り組みと都市・水上交通』
第4回電池推進船普及研究財団シンポジウム 開催案内
一般財団法人 電池推進船普及研究財団
1.目的 水素社会の構築へ向けた東京都や企業の取り組みを学び、燃料電池船を含めた電池推進船等の今後の普及発展に寄与することを目的とする。
2.主催 一般財団法人 電池推進船普及研究財団
3.共催 国立大学法人 東京海洋大学
4.後援 江東区
5.対象者
①一般市民(江東区民、環境問題や船に興味のある方、小中高生、
NPO等)
②EV船やFC船に関する研究開発や建造等に携わっている組織・
機関
③東京海洋大学の教職員・学生・OB
④マスコミ関係者
⑤その他
6.シンポジウム内容
(1)シンポジウム名 『水素社会の構築へ向けた取り組みと都市・水上
交通』
(2)開催日時
平成30年11月16日(金) シンポジウム 午後14時~17時
(無料)
交流会 午後17時~18時
(有料 @3,000円)
(3)開催場所
東京海洋大学 越中島キャンパス 越中島会館2F 講堂
(4)プログラムと講師等
日時 | 2018年11月16日(金) 14時~17時 シンポジウム(無料) 2018年11月16日(火) 17時~18時30分 交流会(有料 @3,000円) |
場所 | 東京海洋大学 越中島キャンパス 越中島会館2F 講堂 |
1、開会挨拶 | 電池推進船普及研究財団 常務理事 広島 基 |
2、来賓挨拶 | 国土交通省 海事局 海洋・環境政策課長 石原 彰 氏 |
3、講演 | 公益財団法人 東京都環境公社 総務部経営企画課長 石井 光洋 氏 水素情報館「東京スイソミル」の水素エネルギー普及啓発への取組 |
4、講演 | トヨタ自動車株式会社 東京技術部 担当課長 岸本 岳 氏 「トヨタ燃料電池バスの特徴と今後の展望」 |
【休憩】 | |
5、講演 | 国立大学法人 東京海洋大学 次世代水上交通システム研究開発プロジェクト 特任教授 大出 剛 氏 「燃料電池船の日本における現状」 |
6、閉会挨拶 | 国立大学法人 東京海洋大学 海洋工学部長 塚本 達郎 氏 |
7、交流会 | 閉会後17時~ 参加希望者による交流会 |
活動中止に当って賛助会員からの声
2013年から2014年の「らいちょうN」建造時は、電池推進船の前例が少なく、管海官庁の理解を得るために東京海洋大学の担当教授が大変な苦労をされていた事を鮮明に記憶しております。関係各位の苦労のかいがあり、無事に実験船としての運用が始まった時は感無量でした。
当財団へは、建造した造船所という立場で参加しました。勉強会・シンポジウムという活動の中で、広いテーマでの知見が得られ、意義深いものだったと感じております。
なにかと変化の緩やかな造船業界ですが、自動車に代表される乗り物の低環境負荷性能の向上は、今後間違いなく必要とされるテーマであると考えております。一例として硫黄酸化物(SOx)規制や、CO2排出規制が挙げられ、単純なディーゼル機関に代わる動力が求められていると感じております。
今回、残念ながら(一財)電池推進船普及研究財団の活動は中止されますが、活動中に得た知見を元に、電池推進をはじめ、さまざまな低環境負荷な仕組みを取り入れた船舶を建造してまいります。これまでのご支援、ありがとうございました。
隅田船舶工業株式会社 代表取締役 酒井正勝
昨今、全ての動力源における電動化は車業界のみならず、農機、建機の業界も強く関心を示し、各企業は自らの得意分野にて誠意研究を進めております。
一方、船舶業界においても、ラムサール条約しかり、水質環境の改善は重要なテーマであり、特に船舶の電動化については欧州を中心に急な速度で普及されております。この背景には、法令的な条件もありますが、全世界の人々がSDGsという国際的な目標に向かい活動を進めていることの現れでもあるかと思います。
本財団は一早く、この水質環境問題を真剣に捉え、船舶の電動化普及こそ最も有効な手段であると考え活動を行ってこられました。今回、活動を中止することは誠に残念ではございますが、今まで培われてきたノウハウや経験は、協賛してきた企業や研究者達に継承され、既に実用化にまで至っております。これは本財団の普及活動が社会的に重要な役割を果たしてことの証であると考えております。
我々(株)協同も協賛企業の一員として、微力ではございますが、船舶の電動化普及に引き続き貢献できればと思っております。本財団の功績に敬意を表し、メッセージとさせて頂きます。
株式会社協同 代表取締役社長 斉藤浩史
本財団は東京海洋大学電池推進船「らいちょうN」建造に関係するメンバーが環境問題を東京海洋大学だけの発信では無く、民間財団を設立し研究・普及・広報事業の3部門、国・自治体・関係各社と連携、幅広く活動する為2014年10月に設立されました。当初世の中へどうアピールするかと考え広報事業として東京海洋大学様共催、江東区様後援、他16社の協賛を頂き2015年秋に「第1回電動推進船の現状と将来展望」シンポジームを開催致しました。80数名の方にお集まり頂き関心の高さに驚きでした。
その後も2018年の第4回まで開催する事が出来ました事、重ねて関係各位には感謝申し上げます。後研究事業では電動船、水素燃料基地、コンテナ船視察等々の勉強会を行い初めての受講の方もお出でになりいい思い出です。
その他国内自治体・興味のある団体・他民間企業よりも多くの問い合わせが有り数百名の方がらいちょうNへ試乗されました。
今後の環境問題解決ですが菅首相の2020年10月国会冒頭での「2050年カーボンニュトラル」発言により大きな方向性が出されました。
今回残念ながら(一財)電池推進船普及研究財団の活動は中止いたしますが、弊社は財団の意義を引継ぎ更なる前進をする覚悟です。今後とも関係各位のご支援・ご協力宜しくお願い申し上げます。
EV船販売株式会社 代表取締役 工藤清人